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【開発秘話 Episode2】光に想いと物語を宿す「ひかりノベーション」というブランドが生まれるまで

「ひかりノベーション」という名前は、どのようにして生まれたのでしょうか。あのメインカラーはどうやって決まったのか、キャラクターたちやパッケージのデザインには、どんなやりとりがあったのか。ブランドの形がまだはっきり見えていなかった頃から、担当者たちがアイデアを持ち寄り、悩みながら手を動かし続けた時間があります。今回は、そんな試行錯誤の日々をたどりながら、ひかりノベーションが今の姿になるまでの舞台裏をのぞいてみます。



1.「黄色」と「ネイビー」に込めた夜のイメージ

「ひかりノベーション」といえばこの色、と言われるほど定着したメインカラーの黄色は、ブランド立ち上げの当初から決まっていたそう。「光」と「リノベーション」というブランドの核にある二つの言葉から、明るくなる、パッと変わる、新しいものになる――そんなイメージを色で表現したのが、その始まりでした。またこの黄色には、ただ単にブランドのイメージを体現するだけでなく、実は売り場での存在感も意識されています。ホームセンターに並んだとき、黄色の商品がずらりと連なることで思わず目が止まる。そんな視覚的な訴求力も、カラー選定の背景にあったといいます。

ただ、この黄色にはもう少し踏み込んだこだわりがあります。印刷やデザインに携わったことのある方なら聞き覚えがあるかもしれませんが、色の表現では一般的にCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの四色)を組み合わせて色をつくります。ひかりノベーションのメインカラーは、単純にイエローを100%使うのではなく、シアンをごくわずか加えることで微妙なニュアンスを出しているとのこと。「黄色」というひと言ではくくれない、そんな細部への気配りがそこにあります。

Y100%の黄色
Y100%・C10%の黄色

差し色につかわれているネイビーの例

一方、各所で差し色として使われているネイビーは、黄色との対比として「夜」を表現するために採用されました。日が落ちていく時間帯や、センサーで光が点灯する「夜になりきる前のひととき」のようなイメージを込めているといいます。

タカショーデジテックの従来のデザイン
ひかりノベーションのデザイン

タカショーデジテックの従来のデザインにはシャープでスタイリッシュな印象のものが多かった一方、「ひかりノベーション」では柔らかさ、温かさ、アットホーム感を意識したといいます。この2色が決まったことで、ブランド全体のトーンも自然と定まっていきました。

散りばめられているイラストの一部

WEBサイトやリーフレットなどの販促物には、サーフボード、食器、植物、木など、暮らしやアウトドアを連想させるイラストが約20種類ほど散りばめられています。目的は「照明器具を見せること」ではなく、「光を取り入れることで夜の外での過ごし方が楽しくなることを感じてもらうこと」。そのイラスト制作には、およそ2週間をかけて丁寧に考え続けたといいます。

左:スマイルマーク,右:ひかりノベーションのロゴ

こうしたブランドの細部へのこだわりは、ロゴにも宿っています。「ひかりノベーション」のロゴは、ブランドの字体の雰囲気に合わせてデザインされているのはもちろんのこと、よく見るとスマイルマークに見えるよう意図的に設計されています。光が灯る夜の外空間で、思わず顔がほころぶような温かさ、そんなブランドの想いが、ロゴのかたちにもさりげなく込められているのです。


2.“あの”家族キャラクターが生まれるまで

ひかりノベーションの家族キャラクターたち

「ひかりノベーション」には、父・母・兄・妹、そして柴犬からなる家族キャラクターが登場します。どこにでもいそうな、ごく普通の家族の姿です。特別なキャラクターではなく、見る人が「うちと同じだ」と感じられるような存在にすることで、照明のある暮らしを「自分ごと」として想像してもらいやすくする——ファミリー層をメインターゲットとして想定していたことも含め、そんな意図がキャラクターのデザインには込められています。

背景のイラストにあわせた当初のぼつ案
最終的にできあがった家族キャラクター

ただ、今のキャラクターたちが最初から決まっていたわけではありません。デザインを担当した〝 ふちもとさん〟 は、現在の形に落ち着くまでにいくつもの案を描き、ボツにしてきました。そのアイデアの多くは〝ふちもとさん〟 の手の中で完結していたため、ブランディングを担当した〝たけなかさん〟 でさえ、今回の取材で初めて目にしたものも多かったといいます。「こんな案があったんだ、と正直驚きました」と〝たけなかさん〟。試行錯誤の痕跡は、ほとんど表に出ることなく積み重なっていました。

家族でひかりノベーションの設置を楽しんでいるイメージ

ひかりノベーションのようなローボルト照明(低電圧で動作する屋外照明システム)は施工に手間がかかるという面もありますが、それを「家族でDIYする楽しさ」に変えることもキャラクター設定には意図されていました。週末に家族でホームセンターへ行き、庭について相談しながら購入・施工して、その日のうちに夜の光を楽しむ——そんな体験を具体的にイメージしながら、キャラクターたちは形づくられていきました。

そしてキャラクターたちには実は細かな性格設定があります。お父さんはDIY好きでサーフィンや筋トレなど多趣味、暮らしをとことん楽しんでいる人。お母さんは少し天然ボケ気味で抜けているところがある。お兄ちゃんは穏やかでちょっとぼーっとした雰囲気。妹はちゃっかりしていていいところを持って行っちゃうタイプ。そして柴犬は、家族のマスコット的な存在として設定されています。

〝たけなかさん〟と〝ふちもとさん〟にそれぞれ、印象に残っているキャラクターの裏話を聞いてみました。

ブランディング担当・竹中

〝たけなかさん〟にとって、キャラクターの中でも柴犬は特に思い入れのある存在だそうです。設置動画やSNSの投稿では、柴犬がしゃべってコメントするという演出がたびたび取り入れられています。「実は僕、柴犬がキャラクターの中で一番好きで」と、〝たけなかさん〟は笑いながら話してくれました。こうした言葉からも、ひかりノベーションが単なる販促ツールではなく、つくる側の感情もしっかり宿ったものであることが伝わってきます。

〝たけなかさん〟
推しキャラの柴犬

デザイン担当・渕本

キャラクターの制作をメインに担当した〝ふちもとさん〟には、お父さんのキャラクターづくりへの細かなこだわりがあります。「DIY好きなお父さんというイメージからスタートして、そこからサーフィンや筋トレ、ファッションへのこだわりなど、多趣味な人物像に広げていきました」と〝ふちもとさん〟は話します。屋外照明のDIYに興味を持つ方に「このお父さん、なんかわかる」と感じてもらえるよう、親近感を大切にしたといいます。髪型はパーマで口髭あり、団子っ鼻の顔立ちも「こういう人いる!」と思ってもらえることを意識した造形です。スペックより先に、人と人との距離を縮めるような愛嬌。そんな想いがキャラクターたちの表情に込められています。

こだわりが詰まった
お父さんのキャラデザイン

3. 売り場とパッケージに宿るこだわり

ブランドのビジュアルが少しずつ形になっていく裏で、販促物への落とし込みもまた、地道な試行錯誤の積み重ねでした。

使い方が想像しやすい名前とパッケージ

たとえば商品名ひとつをとっても、外構や庭施工向けの市場の商品は「アップライト」「パスライト」「ポールライト」といった、照明に親しみのある人向けの名称が使われていました。「ひかりノベーション」では、光のことをあまり知らない人でも、「これは誰のための、どこで使うライトなのか」が自然と伝わる名前を意識しています。「住まいと暮らしのリノベーション」というブランドコンセプトのもと、使う場所や暮らしのシーンが頭に浮かぶような名前が選ばれているのは、そういった想いがあるからです。

実際の売り場のイメージ
展示会での什器の展示

ホームセンターでの売り場づくりも、それまでとはまったく違う経験だったといいます。実際に店舗へ足を運び、什器(製品を陳列する棚や台のこと)のサイズに合わせてパッケージの大きさを検討し、配線や接続方法がお店に来た人にきちんと伝わるかどうかまで、丁寧に考えていきました。什器をチームのそばに置いて毎日目に入るようにしていたのも、「日常的に見ていれば、ふとしたときにアイデアが生まれる」という感覚からだったそうです。

社内のスタッフに協力してもらって作り上げた動画の様子

ブランドの世界観を届ける写真・動画の撮影には、社内の複数の部署のスタッフがモデルとして参加しました。撮影場所は、モデルハウスを使わせてもらったといいます。「ひかりノベーションといえばこの家族の写真」と思ってもらえるような温かなビジュアルが、多くのスタッフの協力によって生まれていきました。

ひかりノベーションのアイテムでライトアップされた現場

実は立ち上げ当初、「ひかりノベーション」というブランドは5年程度で役目を終えるかもしれない、と〝たけなかさん〟の中では思っていた時期もあったといいます。発売当時に流行し出した「リノベーション」という言葉や取り組みが、数年で古く聞こえてしまうかもしれない、という懸念がそこにはありました。それでも、ある打ち合わせをきっかけに担当者が「この名前でいける」と手応えを感じ、そこからブランドとしての歩みが本格的に動き出しました。

結果として、ブランドは当初の想定をはるかに超えて今日まで長く続いています。立ち上げから8年が経過した今も、「ひかりノベーション」は屋外照明を暮らしに取り入れる最初の一歩として、多くのご家庭に届き続けています。


細かな色の調合、ロゴのかたち、キャラクターの性格、売り場の什器サイズ。そのひとつひとつが、「夜の外で過ごす時間を、もっと豊かにしたい」という想いから生まれています。難しい言葉で語られることの多い照明の世界で、ひかりノベーションはずっと、身近なところにある夜の楽しさを届けようとしてきました。何気ない夜の景色を、少しだけ特別に変えてくれる存在でありたい——ひかりノベーションはこれからも、その想いを手放さないまま、より多くの人の、より多くの場所を照らし続けていきます。